萌え辞典

萌えとは、ココまでに説明した通り、「大人の中にある、子供っぽさや動物っぽい可愛さを、好きでたまらない気持ち」であるわけだが、人によって好みの違いがある。
誰にでも萌えるわけではないし、萌え語を喋ったからといって、必ずしも萌えるものではない。
それは一体何故なのか。
人間の本能として、「子供」は可愛く感じる事が「普通」である。
しかし、そうは思わない人もいる。
それが何故かを考えれば、それは簡単に理解できるだろう。

子供が嫌いだと言う人の意見を聞くと、「五月蠅い」とか「言う事を聞かない」だとか「常識を知らない」なんてのがあると思う。
要するに、本能的に好きになれるはずのものでも、その人が許せない何かに引っ掛かれば、人は好きにはなれないって事だ。
可愛いと思えないって事だ。
これは萌えにも言えるだろう。
子供っぽくしていたところで、それを五月蠅いと感じてしまったら、五月蠅いのが嫌いな人は、きっとその人に萌えを感じないのだ。
でも逆に考えると、子供っぽくしないで静かにしていたら。
別の方法で子供っぽかったら。
言い方を変えると、嫌いな子供ではなく既に大人である人が、チラッと子供っぽさを見せたら、子供の嫌いな人でも、その人に萌えを感じるのではないだろうか。
萌えを感じる条件というのは、一概に「子供っぽい部分」とは言えないのである。
少なくとも、それだけではない場合もあるのである。

では、萌えを感じる条件を具体的に考えてみよう。
まず「対象となる人物を、少なくとも嫌いではない事」である。
子供が嫌いだと言う人は、大概どんな子供も嫌いである。
もう既に、子供をひとくくりにしていて、インプットされているのである。
しかし「大人が嫌い」という人は、大概そうかもしれないが、主に「人を信じられない」人である。
そんな人は、ひとくくりにはせず、やはり個別に人を見ていて、好きな人はちゃんと好きになれるものだ。
だから萌えの対象は、やはり「大人」だと言える。
それでも、大人が子供っぽい事をしたら萌えるのか？と聞かれれば、それはやはり人それぞれだ。
萌えキャラと言われる人の中に、ドジっ子なるキャラが存在するが、ぶっちゃけドジをされれば、ムカつく人も多いだろう。
でも、子供がドジをしたら、可愛いと思う場合も多い。
これはどういう事だろうか。
考えればすぐに答えはでてくる。
人が萌える条件として、これが一番大切だと言えるだろう。
それは、「自分優位」である事だ。
子供に対して、自分の方が劣っていると思う大人はそうそういない。
大概は子供に対して、「守ってあげる存在」だと思っている。
だからドジをされても、逆にそれに世話をやく喜びが湧きあがってくるのである。

萌える条件、それは

その人が嫌いではなく、更にその人よりも自分が優位な立場にいると認識できた時である。

別に、実際に優位に立っている必要はない。
自分よりもバカだなぁ～と思えれば、それで萌えは発動する。
本当は頭も良く、知識があったとしても、その部分だけで勝っていればいいのだ。
こう分析すると、萌えとは実に、「バカな男を騙すに最適」とも思えてくるね。